good debt vs bad debt

良い借金と悪い借金があるって本当?

借金に、良い借金と悪い借金があるという話を聞いた事はあるでしょうか?「借金=悪」、「借金=できるだけ早く返さないとえらいことになる」みたいに思っている方も多いと思いますが、必ずしもすべての借金が悪いわけではありません。

むしろ、お金持ちはほとんど借金しています。この記事は良い借金と悪い借金違いを解説し、どういう借金は全力でさけるべきか、逆にどういう借金ならしてもいいのか、という話をします。

この記事の内容

  •  良い借金と悪い借金の違い
  • 絶対に避けるべき借金
  • 場合によってはいい借金

借金にも種類があるという話

借金というのは、未来の自分からお金を奪うことです。未来に入ってくる予定のお金を、今の時点で使うからです。そして、未来のお金を今に持ってくるコストとして、金利というものがかかります。

この視点から考えると、悪い借金とは今の満足のために未来の収入を犠牲にするもの、良い借金とは未来の収入を利用して、富を先取りすることができるものです。

単純に言うと、

悪い借金=目先の消費材を買うための借金で、金利を払った分だけ損をする

良い借金=借金をすることにより、より多くのお金を生み出せる

ということになります。

では、具体的にどんな借金が悪くてどんな借金が良いのか見ていきます。

 

悪い借金とは何か

まず悪い借金トップ3からいきます。

1)消費者金融

これは単に金利が高すぎて、気がついたら最初に借りたお金より、かなり高いお金を金利として払わなければいけないからです。たとえば、10万円を年利18%で借りたら、30日分の金利は1479円です。その1479円は安いと思われるかも知れません。

でも、10万円を1年間銀行の定期預金に預けてもらえる利息は、いくらになるかご存知ですか?日本の銀行では、高い所で200円です(利息が1年の最後につく場合)。なんと普通に銀行に預けて得られるお金の7倍以上が1ヶ月で取られるという、これをぼったくりと言わずに何と言う。

にわかには信じられない人のために、金利を計算してくれるサイトを貼っておきます。

カードローン金利計算方法(アコム

定期預金シミュレーター(楽天銀行

私は本業が金融の勤め人なので、人にお金を貸すとどれだけ儲かるのか、裏の裏まで分かってます。なので、もし友達が消費者金融でお金を借りると言ったら、全力で止めます。高金利でお金を延々と返していくうちに、途中で心が折れる人が多く、そこから負のスパイラルが始まるからです。

私が見た中で、消費者金融で良い借り方をしていた例外的な人たちもいますが、これは後から説明します。一部のファイナンスに詳しい例外的な人々を除いて、消費者金融は避けた方がいい借金の仕方です。

2)クレジットカードのリボ払い

クレジットカードで買い物をするときに、分割払いにするか聞かれますが、あのリボ払いも気をつけた方がいい借金です。

ところでリボ払いの語源はご存知でしょうか?英語のリボルビングです。リボルビングと言えばリボルビングドア(回転ドア)というものがあります。たまにドアがぐるぐる回って自分が出られないギャグがあったりしますが、このネーミングはものすごく適切な気がします。気をつけないと、永遠に出られません。

もちろんクレジットカードを何に使うか、その目的も大事なのですが、これも金利が高いので、気がついたら安いから今買おうと思ってカードで買った物が、めちゃめちゃ高くついたということになっていたりします。

特に、バーゲンのときの服や、生活必需品をクレジットカードで買うときは絶対に一括払いにしましょう。

クレジットカード自体は、マイルがついたりポイントがもらえたり、うまく活用すればとてもいい家計戦略となります。アメリカではクレジットカードのマイルやポイントを使って旅行をコーディネートするコンサルタントまでいるほど、賢い人はクレジットカードを使っています。

ですので私はクレジットカードは利用するべきだと思いますが、支払いは一括払いがいい借り方です。

3)自動車ローン

自動車は高いのでローンで買う人も多いし、実際私も最初の車はローンで買いました。自動車ローンが悪い借金だと言われる理由は、納車された車はショールームで見た同じ車と比べて、公道に出た瞬間30〜40%価値が下がるからです。なので頭金を結構入れないと、借金のほうが持っている車の価値より高くなります。

車の価値が下がるという意味は、例えばその車を売ろうとしたら中古車になってしまうので、全く運転していなくても、買った価格で買い取ってもらえません。また、車を買うときには諸経費が含まれているので、その分は全く返ってこないということになります。

でも車みたいに高い物を借金せずにどうやって買えばいいんだ、と思うのですが、王道の答えは「自分の持っているお金で買える中古車を買う」です。でもこれはお金持ちでも意見が分かれるところで、車が趣味で超高級なクラシックカーにお金を費やしている人もいますし、子供がいて新車で大きい車のほうが安全だという方もいますし、自営業などで自営で車を経費として落とせる人なんかは別にいいんじゃないかと私は思います。

私自身、20代で無謀にもヨーロッパ高級車をほぼ全額ローンで買ったときは、アホだと言われましたが、自分の満足と毎日運転しているときの楽しさは、お金には換えられませんでした。このあたりは個人の価値観によるところが大きいですね。

ただ一般的な答えとしては、「自動車ローンは悪い借金」に分別されるということをおぼえていてください。

 

良い借金とは何か

良い借金とは、今すぐ、または将来、価値を生み出すものです。

1)奨学金

もっともリターンが高い投資は自己投資です。奨学金は、お金がなくてもこの自己投資を可能にします。

もちろん、奨学金をもらって大学に行っても、まじめに勉強せずにお金を無駄にしてしまう人もいます。そういうケースはおいておいて、本当に自分の知識やスキルを高めるための奨学金は、将来にリターンが得られる可能性が多いため、良い借金に入ります。

それに、奨学金はある職業に就いたら返済額が減ったり免除されたりという特典もありますので、将来進みたい道が分かっている人には特に有効な借金だと思われます。

2)投資用の不動産ローン

投資用の不動産をローンで買うのは、キャッシュフローやリスク管理といった面を考えて、良い借金と言えます。

例えば、2000万円投資できるお金があるとして、2000万円のアパートを1棟現金ニコニコ払いすると、そのアパートからの収益しか得られないので、空き室リスクや天災によるリスクなどが高くなります。逆に、2000万円借金して(50%の自己資で)2000万円のアパートを2棟買うと、単純に戸数が増えるので、空き室リスクが分散できます。

現金で買ってしまったほうが、毎月のキャッシュフローは増えますが、「人(銀行)に借りたお金を人(住人)に返させる」というシステムを作ると、「人のお金を利用して、少ない元手でも早いスピードでお金を増やせる」という、「お金の動きの早さ」が増えます。

ただ不動産投資は簡単に手を出せるものではないので、実際に始めるまでに勉強が必要です。

3)株のマージン取引

マージン取引とは、持っているお金の何倍かまでお金を借りて、自分の持っているお金以上の取引ができることです。例えば100万円しかないのに、200万円の取引ができたりします。マージンで借りられるお金は短期の借金なので、株の売買も短期のテクニカル指標を見て行います。そのため、この取引自体もかなりの勉強が必要だし、リスクも高いので、簡単には手を出せません。ただ、100万円単位のお金を、数年間のトレードで億単位に増やしたという人は、たいていこのマージン取引を行っています。これも、少ない元手で大きくお金が増やせるので、借金の種類としては良い借金と言えます。

逆に、リスクも非常に高くなります。ネットで、たまにFXで借金1000万どうしようとか書いている人がいますが、投資がどうやったら借金になるんだと思われる方も多いのではないでしょうか?彼らは消費者金融でお金を借りて取引をしていたわけではなく、マージン取引で失敗した可能性があります(または両方している可能性もあり)。日本の取引プラットフォームだとそこまでマージンで貸してくれないので、外国のプラットフォームを使っているのかも知れません。

さて、先ほど消費者金融で「良い」借り方をしている人もいると書きました。私が見た例では、複数の不動産を所有している人が、不動産の改修工事費として500万円ほどを8%くらいの金利で借りていました。3年ローンを4ヶ月くらいで完済していたので、多分その時点で改修が終わり、不動産を担保にローンを借り換えたか、または売却したかして、返却資金を作ったのだと思います。この場合は、借りたお金でもっと大きいお金を得ることができたため、良い借金になります。

ここまで読んで、自宅を住宅ローンで買うのはどうなのか?という疑問を持たれたかも知れません。これは投資家の目線から見ると、良い借金とは言えません。自宅は住んでいる限りお金を生まないからです。

ただ、私個人は、「時と場所による」と思います。たとえば、40代の夫婦が駅から徒歩20分の古民家を買う。という場合と、20代の会社員が駅から徒歩5分の1LDK新築マンションを買う。という場合だと、将来の不動産価値も、借り手の状況も、全く違ってくるからです。もし将来不動産の価値が下がらず、または下がっても容易に借り手がつくような物件だったら、今住むための住宅でもローンを組むのは良い借金です。

住宅ローンの場合は、「持ち家か賃貸か?」という疑問と、「ローンか現金か」という疑問が入り交じっていて難しいのですが、「持ち家か賃貸か?」というのは、特に誰にでも、どこでも、いつでも当てはまる明確な答えはありません。

自動車と同じで、住宅というのも個人の価値観や感情によって、お金には換算できない価値があります。ですので、私は持ち家をローンで買うというのは、必ずしも悪くはないと思うし、損でもないと思います。このあたりは、人によって意見が大分分かれるので、まずはご自分の価値観を洗い出して、人生で何があれば幸せだと思うのか、というところから考えてみてください。

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